クイズ

カズの職業は何?

  1. 記者
  2. 探偵
  3. 写真家
カズ、遮っちゃってごめん。もう死ぬまで邪魔しないから、あとは好きなだけ喚いて。

正解おめでとう!!

DailySAEKOは今日で7日目、ついに最終回です。とはいえ、ゲーム中の出来事は今日の10月11日で終わりではなく、エンディングは翌日の12日に発生します。早朝に警察が来て...というやつです。一部のエンドではさらにその数年後が描かれますし、一部のエンディングでは、数年後の未来など存在しません。

さて、昨日に大きな決断を下し、今日はそれによってシナリオ自体が全然異なります。内部的な事情で言うと、6日目までは生存者分岐などがありつつ、1日1枚のスクリプトファイルで補っていたのが、今日は「虐殺エンド用」「自殺・贖罪エンド用」でスクリプト自体が2種類存在しているわけです。

分岐ごとの一番の違いは、リンの性格だと思います。以前の記事でも書きましたが、虐殺エンドは冴子を肯定し続けた先に到達する尖った分岐として書いていたので、主人公の性格もそれを反映してかなり尖っています。

ホラー映画のみんな大好きな演出として、「明るいBGMで超グロいスプラッタが繰り広げられる」というのがあると思います(あるよね?)。私はホラー小説やエログロ小説をよく読むのですが、あれの文章版とでもいうべきものがある気がして、それが「淡白な地の文でグロい行為が描かれる」という表現です。「限りなく透明に近いブルー」とか、矢部嵩さんの文章とか、それと原案の笛地先生の文章もそうだと思います。文章自体の清潔さと、実際に描かれている行為のグロさがギャップになり、書き手に感情移入できない違和感を抱えながら進んでいく感じ、あれが読んでいてとても好きです。

虐殺ルートのテキストでは、そんな不気味な冷静さをゲームでも表現できたらいいなと思いました。

ごくり。クララの喉が動き、流動性の中身が落ちていった。唾液と舌で口がいっぱいだから、飲み込む必要があったのだろう。

自殺・贖罪エンドについて(ゲーム開発中、まとめて「Pルート」と読んでいました。虐殺エンドはGルートです)、こちらのリンは6日目からあまり変わっていません。そのまま変わらなければ自殺エンドへ、さらにプレイヤーの意思で変えられれば贖罪エンドへと分岐します。

テキストの初稿では、アカリのセリフはもっと多くて、贖罪エンドに至る導線をより丁寧に教えてくれいました(「誰も殺さないでいいんじゃない?」)。ただ、テストプレイ時の反応が微妙で、アカリの性格とも離れてしまったので、最終的には誰も差し出さない選択肢の存在を仄めかす程度に抑えています。それでもヒントとしては露骨すぎたかなと思っていたのですが、実績の解除率などを見る限りはそうでもなさそうです。ただ、プレイヤーに考えて辿り着いてもらうエンドも1つは必要だと思っていたので、これくらいの難易度でちょうどいいのかもしれません。


今日の新キャラ、カズについては...うーん、何か書くことはあるかな...まあ、こういう人っているよなってくらい...。

見たところ、どうにも元気がなさそうだが...そんなにガックシ落ち込んで、一体全体何があったんだい?

プロット的に言えば、6日目までに重要な出来事はあらかた起こっていて、7日目は一種の振り返りです。これまでの流れを意図的に繰り返す感じ。同時に、自殺・贖罪エンドではプレイヤーの価値観を試す分岐もあって、なのでカズはプレイヤーに嫌われるためのキャラとして作りました。ここまでの選択を通して、プレイヤーの誰かを殺すことへの抵抗は減っているはずです。冴子の価値観に近寄っているともいえます。でも、選択肢で冴子にNoを突きつけた今、自分自身の変化にも気づけるだろうか?自殺・贖罪エンドの分岐はそんなことを考えながら作りました。

特に学生のときって、関わる人数も多いし、中にはこいつ死なないかなと思っていた相手もいると思います。大半の人にとってそれは必要な試練で、時間をかけて嫌いな人との関わり方を学んでいくしかありません。でも、冴子のように、「本当にその人を殺しちゃう」という選択肢が入り込んでしまった場合、それはそれで苦しいんじゃないだろうか、と思います。他人と同じ成長の仕方ができない。友達が嫌いな先生の悪口で盛り上がったり、あるいは最初は嫌いだった知人と仲良くなったりしてる横で、そういえば自分が嫌いな人はみんな殺しちゃったな〜みたいなことが頭によぎるわけです。

カズは嫌なヤツではあるし、冴子に食べさせたら面白いと思うんだけど(おいしそうでもある。太ってるし)、だからってあっさり殺してしまうのか、それともその考えの異常性に気づいて踏みとどまるのか?ケーキを片手に、プレイヤーがそんなことを考えてくれていたらいいなと思いました。

アカリ「ボンレスハム、あは、いひひ...」カズ「はあ、よくある冗談だよ。」
アカリはブラックジョークが大好き

というわけで、ゲームではこのあとにエンディングがあるけど、DailySAEKOはこれにておしまいです!SAEKO本編のシナリオを書いたのは2024年の夏〜秋あたり、ほぼ丸1年前なのですが、当時考えていたことを色々思い出せてとても楽しかったです。「[集中用]ブラウンノイズ8時間」みたいな動画を流して、朝からお昼すぎまでテキストを書いて、詰まったらプログラムや音楽の作業をして、夜にスーパー銭湯に行って炭酸風呂に浸かってたら突然会話のアイデアが浮かぶ、みたいなことをしていた気がします。とても楽しかった。

じっくり考えながらゲーム開発に向き合えたのは、開発期間中からずっとSAEKOを応援してくださっていた、ファンや関係者の皆様のおかげです。改めてお礼を申し上げます。そして、もちろん、完成後にSAEKOを見つけて気に入ってくださった、新しいプレイヤーの皆様にも本当に深く感謝いたします。

SNSの毎日更新は今日で終わりですが、ずっとゲーム開発は続けているし、SAEKOに関する作業も進めています。すぐに何か発表があるわけではないですが、今後もSAEKOの旅は続くので、気長にお待ちください!