開発日記 2024-10-01

こんにちは。私はSAFE HAVN STUDIOのkypです。これは10月1日の開発日記です。

TGS

今回の記事ではなんとTGSについて書きます(意外!)。2024年9月26日から9月29日までの4日間、幕張メッセで東京ゲームショウが開催され、私達の作品であるSAEKOも複数の場所で展示されました。その中のSelected Indie 80コーナーでは、SAFE HAVN STUDIOとして初めて自分たちのブースを運営しました。

沢山の出来事があり、4日間あっという間でした。初となる自分たちのブースでは、体験版をプレイした多くの人々から感想をいただくことができましたし、幕張近辺で飲んだビールやワインやハイボールをきっかけに、何人もの尊敬するクリエイターに出会うことができました。名刺入れのエントロピーも増大しました(訳:自分の名刺が無くなった代わりに色々な人の名刺をもらいました)。PCゲームはインターネット上の存在なので、もらう感想もオンライン上の冷たい数字に見えてしまうことが時々あるのですが、リアルイベントを通してそれら1つ1つが暖かい本当の応援であることを認識できて......つまり......えっと......楽しかった!

設営について。Selected Indie 80に選ばれ、会場に自分たちのブースを出すと決まってから、なるべく尖った見た目にしたいと考えていました。TGSにはパブリッシャーによるSAEKOの展示もあるので、そことは違うことをしたいと思ったからです。結局、ミニマルかつ大胆というコンセプトで、背景にデカい冴子の目を置き、机の上にはなるべくそれを遮らない形でアクスタやフライヤーやシャツを平置きしました。まあまあ上手く行ったんじゃないかな。とにかく冴子の目を目立たせる(!)ために、ゲームのロゴすら小さくすると決めた瞬間の快感はすごかったです。

ブースのイメージ画像
設営前に作った雑なイメージ画像。すごい気持ちよかった

やっぱり逆張りは気持ちいいですね。

かもやなぎ放送局

あと、TGS会期中にはかもやなぎ放送局さんに私(kyp)のインタビューが掲載されました。数ヶ月前に取材されていたものです。途中、少しR-18な内容への言及もあり、ダメだったら削られるかな〜と思っていたら全てそのまま掲載されていてびっくりしました。room6さんは寛大な会社ですね。

「個性をアクセルにして出しまくる作品しか作れないから」ゲームクリエイター kyp さんに聞いてみた。
出典: かもやなぎ放送局

今回のインタビューは、自分の創作について考える良い機会になりました。自分の話は脱線が多く、かつ話しながら考えが深まった部分もあるので、最終的なインタビューに少しだけ補足しようと思うのですが......一番事前に考えていたのは、「自分にしか作れないものを作ろうと思ってたら、それが今のSAEKOになっていた」ということです。もちろん、巨大娘のジャンルは大好きだし、ここまで作り上げた全ての巨大娘コンテンツが好きなんだけど、それはあくまで自分にしか作れないものを作ろうとした1つの結果です。例えばSAEKOを作り終えたあと突然神に選ばれ、自在に空を飛べる超能力を手に入れたとしたら、たぶん空を飛べる主人公のゲームを作ると思います。積乱雲の飛行の難しさとかについて書くと思う。どっちにしろ、せっかくゲームを作るのであれば、ある程度恥ずかしくても自分にしか作れないものを作るしかないと考えています。「照れはするけどやるしかない」というのはそういう意味!

ちなみに、普段あまり聞かれることのない読書やレースなどの趣味についても答えています。話せて嬉しかった。性癖の話をしたあとなので、少しでも知的な雰囲気を出して名誉を回復したかったのだと思います。効果は......あったのかな......?

開発について

イベントはありましたが、引き続きゲーム自体の開発も進めています。内容は引き続きシナリオの執筆です。やや時間はかかっていますが、ゲーム内で一番複雑な分岐のある場面が書けたので少しホッとしています。出来上がった文章はかなりお気に入りです。この調子で進めていきます。

おわりに

TGSへの参加はすごく楽しいと同時に、色々考えさせられる時間でもありました。数百、いやもしかしたら数千のタイトルが同じ場所に集まっているのです。沢山のゲームが存在する中で、あえて自分が違うものを作る理由は何だろうと考えてしまいます。

SAEKOのリリース時期は正直まだ分かりませんが(ごめん)、少なくとも来年のゲームショウの時期にはもうリリースされているはずです。そのときには、できれば私はある程度ゲームで生活できていて、できればSAEKOと全然違うタイトルを作っていたいと考えています。とすると、まあ、また「自分にしか作れないもの」を探す必要があるよね......。

個人的に、インディーゲームの業界で一番好きなのは再現性がないことです。「成功した(らしき)人が考えてること」も「失敗しないためにすべきこと」もインターネットで鬼のように流れてくるけど、全部守ったとしても素晴らしいゲームは作れないし、言ってる人も特に成功してないです。素晴らしい作品は、予想の範疇を越える必要があって、そこではノウハウより超自然的なパワーのほうが役立つような気がします。私にできるのはサイコロを振り、あとは天の何かに祈ることだけ。

サイコロを振るというのは何かを作って出すということであって、まあ、つまり明日からまた作業を頑張ろうと思います。でも4日間まじで疲れた。基本的に立ちっぱなしだったし、テンション上がって歩き回ってたこともあったし......。

だから少しだけ......休憩......しようかな......。

疲れた。終わり!